Webサイトは、企業にとってオンライン上の「顔」であり、情報発信の重要な拠点です。公開して終わりではなく、時代の変化や企業の成長と共に、Webサイトも常に変化させていく必要があります。リニューアルは時間とコストがかかる投資となりますが、適切に行うことで、企業ブランドイメージの向上や集客力の強化、業務改善など、様々な効果が見込めます。
では、どのような状況になったら、Webサイトのリニューアルを検討すべきなのでしょうか。この記事では多くのお客様からご相談をいただく代表的な4つのタイミングと共に弊社の対応策をご紹介いたします。
CONTENTS
Webサイトリニューアル検討のタイミング
1. デザインの劣化が進み、Webサイトが陳腐化している
長年運用しているWebサイトは、見た目が古くなり、時代の変化や技術の進化に取り残されている可能性があります。当時としては最新のデザインだったとしても、ユーザーのニーズは変化しており、そのままでは使いにくいWebサイトになってしまいます。
◾️視覚的な魅力が低下し、信頼感も失われている
- デザインが古いと感じさせてしまうと、見た目が良くないだけでなく、企業自体の信頼性も低く見られることがあります。
◾️ユーザーにとって使いにくい状態(UI/UXの低下)
- 余白が少ない、ボタンが小さくて押しにくい、そもそもボタンだと認識しづらいといった、古いWebサイトによくある問題が発生します。
- 問い合わせフォームなどで、自動入力が非対応の場合、ユーザーにとって不便さが生じます。

◾️様々なデバイスへの対応が不十分
- スマートフォンなど、新しいデバイスで見るとレイアウトが崩れる(レスポンシブに対応していない)、または最新のデバイスに合わせて最適化されていないといった状況です。
◾️検索エンジンの評価にも影響が出ている
- 最適化されていない画像などを使用していると、ページの表示速度が遅くなる原因となり、検索順位にも悪影響を与える可能性があります。
◾️企業のブランドイメージとデザインが一致しなくなっている
- 企業の成長や事業の方向性が変化したにも関わらず、Webサイトのデザインが現状のブランディングに追いついていない状況です。
◾️競合サイトに比べて見劣りし、差別化ができていない
- 競合他社が最新のデザインを取り入れている中で、自社Webサイトが古いデザインのままだと、どうしても見劣りし、ユーザーの期待に応えられていない可能性があります。
このような状況には、UI/UXの観点から、視覚的な魅力と使いやすさを両立するデザインにリニューアルすることが推奨されます。また、多様なデバイスに対応できるようレスポンシブ対応を行い、Webアクセシビリティ対応も合わせて組み入れることが解決策となります。
なお、事前にターゲットユーザーや目的に合わせたデザインコンセプトを、様々な手法(キーワード抽出、ムードボード、ペルソナ設定など)を用いて検討します。
2. サイト内の情報が整理されず、ごちゃごちゃしてきている
事業の拡大に伴い、製品やサービスが増えたり変更されたりするたびにページを追加していった結果、Webサイト内が収拾がつかない状態になっていませんか? 情報が増えるのは良いことですが、整理されていないとユーザーは必要な情報に辿り着けず、離脱につながります。
◾️製品・サービスが増え、サイト構造が崩れて分かりにくくなった
- 製品やサービスの追加・変更でページを増やし続けた結果、情報同士の関係性(サイト構造)が入り乱れている状況です。
- 期間限定のページなど、どこからもリンクされていない単独のページが増えていることもあります。
- 結果として、ユーザーが目的の情報を見つけられない、ナビゲーションからスムーズに辿り着けない状況が起きています。
◾️お問い合わせなどのコンバージョンが少ない
- せっかくユーザーに見てもらいたい情報ページを作成しても、お問い合わせへの導線がありません。ページを見ただけで終わってしまい、次につながりません。
- お問い合わせボタンが形骸化しており、ページの内容がお問い合わせを後押しするようになっていません。
- そもそも、お問い合わせボタンの設置場所、デザイン、色が分かりにくいという問題が生じている場合もあります。

このような場合は、情報整理から始め、Webサイトの目的やターゲットに合わせて情報設計を見直す(リニューアルする)ことが解決策となります。場合によっては、特定のサービスに特化したWebサイトを新たに立ち上げるなど、Webサイトのあり方そのものを見直したほうが良い場合もあります。また、お問い合わせへの誘導を強く意識した設計・デザインが必要になります。自然と目に入るお問い合わせボタンの設置、お問い合わせを促すコンテンツ内容、そしてユーザー行動を意識したスムーズな問い合わせ完了までの導線を設計します。
3. 必要な機能が不足している、または機能性を向上させたい
ビジネスの変化や社内体制の課題から、Webサイトに新しい機能を追加したい、あるいは既存の機能をもっと活用しやすくしたい、といった要望が出てくるタイミングです。
◾️Webサイトの情報を自社でスピーディに更新したい
- お知らせや製品情報など、最新の情報をタイムリーに発信したい。
- コード編集の知識がなくても、自社で簡単に更新できる仕組みが欲しい。
- 頻繁な更新があるため、制作会社に都度依頼する手間やコストを削減したい。
- 複数の部署で権限を分けて効率的に更新できるようにしたい。
- 依頼している制作会社の対応が遅く、情報発信が滞っている。
◾️外部ツールの導入を検討しており、Webサイトとの連携が必要
- 社内の営業やマーケティング体制に課題があり、外部ツールの導入を考えている。
- リード管理を強化したい(MAツールなど)。
- 顧客情報管理を改善したい(CRMツールなど)。
- IR情報をスムーズに更新したい。
- 多言語サイトの翻訳にかかる手間やコストを削減したい。
このような機能性に関する要望に対しては、更新したい内容やクライアントの体制をヒアリングし、CMS(WordPressなど)の導入をご提案することが多いです。要望に合わせたカスタマイズを行い、更新しやすいCMSを構築し、更新マニュアル作成などのサポートも行います。ただし、更新頻度が少ない場合など、弊社が運用を代行する方がメリットが大きい場合は、そちらを提案し迅速な対応を心がけることもあります。外部ツール導入の要望に対しては、適切なツール提案やベンダー紹介を行い、導入から運用まで弊社がサポートさせていただくことが多いです。
4. WebサイトやCMSの運用環境が劣化している
Webサイトを支えるサーバーやCMS(コンテンツ管理システム)が古くなったり、適切な管理がされていないと、様々な問題が発生し、Webサイトの安定運用が困難になります。
◾️サーバー環境が劣化している
- セキュリティ面での危険性が高い。
- サーバーが数年間アップデートされずに放置されている。
- サーバーのスペック不足で、Webサイトの表示速度が遅い。
- アクセスが増えているのにサーバーを更新せず、負荷増大でWebサイトがダウンすることが多い。
- サーバーのセキュリティが弱く、サイバー攻撃を受けている(この状態はかなり末期です)。
◾️CMS環境が劣化している
- サーバーと同様に、古いCMSを放置するとセキュリティ面の危険性が高まります。古いCMSが原因でサイバー攻撃を受けることもあります。
- 古いCMSを放置していると、使い勝手が悪くなります。
- 更新したい情報が増えて機能増設をしたいが、古いCMSでは困難な場合があります。
- 古いCMSのため更新方法が難しく、担当者が退職するなどして更新できる人がいない(属人化しやすい構造)。
- CMSがアップデートされずに放置され、問い合わせ機能などが動かなくなっている。機能停止は機会損失につながる可能性があります。
運用環境の劣化が見られる場合、サイト状態も加味したうえで、リニューアルを検討したほうが良い場合が多いです。特にCMSが古い場合は、機能豊富で更新しやすい新しいCMSへの移行を推奨します。属人化させないCMSの作り方も考慮し、Webサイトリニューアルと紐づけることで、Webサイト刷新と同時に運用体制の改善も図ります。
まとめ
今回ご紹介したタイミングは、Webサイトが本来持つべき役割を果たせなくなっているサインかもしれません。
Webサイトのリニューアルは、決して小さな投資ではありません。
しかし、適切に行うことで、企業のブランドイメージ向上、集客力の強化、業務効率の改善など、様々な効果が期待できます。