左から ケイコン株式会社 執行役員 製品事業部 営業部長 南 光城 氏、ケイコン株式会社 管理部 情報システム部  課長 金川 幸二 氏、ケイコン株式会社 管理部 情報システム部 主任 小川 雅功 氏

高速道路やまちづくりに不可欠なコンクリート製品の開発・製造・販売を手がけるケイコン株式会社。国内トップシェアの製品や時代の要請に応える新工法の開発を続けてきた、業界のリーディングカンパニーです。
社会インフラの本格的な維持・更新時期を迎えてビジネス環境が変化し、さらに建設業界における次世代の担い手不足が課題となるなか、Webサイトリニューアルを決定。その企画から実装、マーケティングオートメーション(MA)ツール導入の支援までをポテンシャルユナイテッド(PU)が支援しました。
リニューアルに至った課題から成果まで、プロジェクトリーダーである南氏、情報システム部の金川氏と小川氏に、弊社のカスタマー・サクセス・コンサルタントである一司を交えてお話を伺いました。

ご担当者様プロフィール

ケイコン株式会社
執行役員 製品事業部 営業部長 南 光城 氏
製品事業部の営業部長として全国の営業所を統括・管理。展示会や広告、WebサイトなどPR関連業務も所管。

 

管理部 情報システム部  課長 金川 幸二 氏
自社Webサイト立ち上げ時に情報システム部へ。リニューアルプロジェクトでもシステムを中心に担当。

 

管理部 情報システム部 主任 小川 雅功 氏
Webサイトの管理業務を担当。リニューアルプロジェクトでは制作との調整役に。

CONTENTS

就活生の認知・関心を高めるサイトへの刷新が課題

リニューアル前のサイトが抱えていた課題を教えてください。

南氏 :まず当社のブランドイメージとずれていた点です。アクセス数も鈍化し、もっとケイコンの独自性を出し、若い世代が活躍する活気あふれた企業であることを訴求したいと考えました。
喫緊の課題は採用であり、学生への情報が不足していました。われわれの事業がどう社会貢献につながっているかなど、就活生が当社への関心を高め、理解を深められる採用情報を備えたコーポレートサイトが不可欠でした。
一司 :採用についてケイコン様は、建設業界全体の課題として、その解決を模索していらっしゃいました。さすが業界のリーディングカンパニーだと思いました。
南氏 :われわれ建設業界で多くの企業が採用に苦慮するなか、業界全体の採用活動の活性化につながるようなツールとしてWebサイトを作りたいという考えがありました。業界全体のボトムアップを図るという当社のトップの哲学でもあります。

今回のサイトリニューアルは、新本社の竣工と同じタイミングでしたね。

南氏 :耐震・防災対策とBCP(事業継続計画)の観点から、サイトリニューアルの数年前から新社屋への建替工事を進めていました。本社のある京都市伏見区淀本町は、京都と大阪を結ぶ水上交通の中継地点であり、歴史的な要所です。旧社屋の解体後に行政による埋蔵文化財の調査が行われ、淀城二ノ丸の石垣が現れました。
そこでわれわれが本社建替計画のコンセプトに掲げたのが「淀城の再構築」でした。淀城の天守・多聞櫓・櫓の関係性を配置計画に応用した、現代オフィスへの建て替えを実現しました。こうした歴史や創業者の精神といった「想い」を伝えていくこともブランディングには重要だと考え、サイトリニューアルでは「想い」の表現も課題としました。

SEO対策など丁寧な運用サポートへの信頼が選定理由

会社のエポックとも言える重要なプロジェクトに、PU(ポテンシャルユナイテッド)をご指名いただいた理由をお伺いできますか。

南氏 :10年以上前、1回目のサイトリニューアルをPUさんに依頼し、以降2回目、そして今回の大規模リニューアルもお願いしました。3回続けて依頼した理由は、サイト立ち上げ後も定期的に丁寧にサポートしてもらったことが大きいです。
金川氏 :PUさんとのお付き合いが始まったきっかけはSEO対策です。当社の認知度向上のためにSEO対策を打ちたいと考えていたところ、PUさん提供のSEO対策CMSの紹介を受け、サイト構築もすべてお任せできるということで依頼しました。以降、解析結果をもとに定例会を開いてキーワードの選定や対策、更新の方向性を一緒に考えてくれました。丁寧なサポートに加え、SEO対策で目に見える成果があったことも選定理由です。
小川氏 :私は1回目のサイトリニューアル時から、困ったことがあればPUさんに助けてもらっていたので、担当として信頼感を持っていました。かつて他社にサイト構築を依頼していた際はトラブル対応に不安がありましたが、PUさんはレスポンスが速く、親身に対応してくれたので、サイト運営においても信頼を寄せていました。
南氏 :もちろん3回目の大規模リニューアルにあたっては、他社から見積もりを取り、提案も受けていました。そうしたなか、PUの新しい担当者として一司さんが丁寧にヒアリングしたうえで、提案をしてくれた内容が非常によかった。やはりPUさんだと考えました。
一司 :ありがとうございます。ご期待に添う提案ができたのは、社内アンケートをとっていただいたおかげです。弊社が制作させていただいたWebサイトなので、社員のみなさんがどこに課題を感じていらっしゃるかがアンケート結果からよくわかり、その解決を目指した取り組みに注力できました。細やかなデータがあってこその提案であり、各事業部のご意向など共通の認識をもってプロジェクト運用をさせていただけました。
金川氏 :南部長自らがアンケート項目を考えて社内に配布し、課題やニーズなど多様な情報を集約してくれました。
南氏 :社員の声をできるだけ反映したサイトにしたいと考えたからです。私の思いとは異なる意見も浮かび上がるなど、データから社員の考えがよくわかりました。時間・予算の制約もあるなかで、とくに若い世代の声を取り込めたのではないかと思います。

役割・ユーザーの異なるサイトを分割し、課題解決へ

PUからの提案のポイントは、コーポレートサイトと製品サイトを分けることでした。どうお感じになりましたか。

南氏 :最初は不安でしたが、コーポレートサイトは認知度を上げるため、製品サイトはプロ向けに使いやすい情報提供を、という役割の違いに納得でき、やってみることにしました。
金川氏 :当社のブランディングの必要性を感じていたので、役割の異なるサイトを分ける提案は納得できました。例えばWEB解析で、設計コンサルタントの方々がヘビーユーザーであることがわかりました。ヘビーユーザーは業務に生かすために製品情報を求めていらっしゃるので、情報にすぐリーチいただく必要があります。製品専用サイトを設けることで、UX重視の情報設計ができるのではないかと考えました。
一司 :当社で実施した製造業のお客様案件で、コーポレートサイトと製品サイトを分けたことによる成果が大きかったため、ケイコン様にもフィットするのではないかと考えました。
何度もサイトを訪問されるプロのユーザー様が多数いらっしゃる現状と、課題である採用強化の実現には、サイトを分けた方がユーザーメリットが大きいと考え、ご提案しました。

コーポレートサイトでは、マスコットキャラクターのKOPENが効果的に使われ、建設業界のイメージとは異なる柔らかな印象を受けます。

南氏 :BtoB企業だからこそ親しみやすいマスコットキャラクターを出すことで、高校生・大学生はもちろん、さらに若い世代への浸透で建設業界に親しみを持ってもらえればと考えました。
一司 :コーポレートはKOPENを活用し、採用に思い切り振り切ったWebサイトが制作できたと思います。一方、製品サイトは、プロのユーザー様が求める情報に最短ステップで到達できるよう導線設計を短くするなど、明確に分けて制作しました。

採用活動で認知度アップ、新コンテンツが学生に好評

コーポレートサイトに就活生向けのコンテンツを充実させた結果、どんな成果がありましたか。

南氏 :私は面接の際にいつもWebサイトを見てくれたか学生に尋ねるのですが、リニューアル後はよく見て、当社によいイメージを持ってくれています。とくに社会のあらゆる場所で製品が活用されていることをわかりやすく表現したコンテンツが好評です。
社員インタビューもしっかり読んでくれており、「女性社員が活躍している」「働きやすい」「社員を大切にしている会社」といったキーワードが、社員の生の声を通じて伝わっているようです。
一司 :社員のみなさんに登場いただいたことで、会社の魅力がまっすぐに伝わったのではないかと思います。みなさんの柔らかな表情に、社員を大切になさっている社風が出ているなと、私も取材中に感じました。
南氏 :離職率も非常に低い会社なので、ケイコンらしさを社員一人ひとりが表現してくれていると思います。

戦略的分類で機能的な製品サイトへ。滞在時間もアップ

製品サイトを別に設けたことによる成果はいかがですか。

南氏 :製品の種類が多いため、製品サイトを設けたのは正解でした。6つにカテゴライズし、各分野から製品情報にすぐにアクセスできるようになり、利便性も上がったと思います。
金川氏 :製品サイトはコーポレートサイトとは異なる情報設計が必要ですから、何度も打ち合わせをし、メインユーザーがいかに使いやすいサイトを構築するかを熟慮しました。とくに製品戦略に直結するカテゴリー分けは重視しました。
一司 :社会インフラの更新時期を迎え、日本の再生を支えていくという使命感をお持ちだったので、ユーザーの利便性のみならず、ケイコン様の戦略に最適な情報設計に注力しました。
南氏 :戦略にフィットし、目的を達成できたと考えています。当社の強みである「高速道路」は全国でリニューアル工事が進むなか製品開発や営業に注力しており、ここを強調できたと思います。日本の大動脈である高速道路拡充への貢献がケイコンの自負だということを伝えたいとの思いもあります。
小川氏 :製品サイトにはCADデータのダウンロードシステムも導入しました、営業担当者からは「お客様との商談の席で、すぐに製品カタログをダウンロードできて便利だ」といった声があるなど、使いやすくなったと好評です。
金川氏 :製品サイトは導線設計が短くなったにも関わらず、サイトの滞在時間が伸びています。また、コーポレートサイトではSEOでこれまでの順位を維持できています。
一司 :今後は集客増を目指し、とくにコーポレートサイトのSEO対策強化をご提案したいと考えています。

新しいMAツールを導入。自動メルマガ作成・配信に手応え

今回MAツールを導入いただきました。新しいMAツールはどのように活用されていますか。

小川氏 :MAツールとCADダウンロードシステムを連携させることで、CADデータをダウンロードいただいたお客様へのメルマガの作成・配信が可能になりました。初回はPUさんにお任せしたのですが、2回目からは自社で作成・配信を始め、少しずつ手応えを感じています。
金川氏 :メルマガ運営機能を使うことで、開封率・登録率はもちろん、お客様から反応があったときに過去を含むWeb上の行動履歴が見えるので、営業対策が立てやすくなりました。
一司 :今後どれくらいの対策を打てばどういった動きがあるかが読めてくると思いますので、どんどん育てていってください。

トップからも高評価。今後はサイトの活用最大化に期待

新社屋お披露目のビッグイベントに合わせたWebサイト公開というスケジュールで、大変なことも多かったのではないでしょうか。

南氏 :新年にサイトローンチというスケジュールは絶対だったため、プロジェクトは非常にタイトでした。また、自分たちの「想い」をどうデザインに反映してもらうか試行錯誤がありましたが、それゆえに完成度も高まったのではないかと考えています。
最終的にトップや役員の前で完成したWebサイトをお披露目したときに非常に好評で、担当としては達成感がありました。

そうしたプロセスを踏まえて、今後PUに期待することをお聞かせください。

南氏 :まず変わらないサポートをお願いします。現在のサイトを超えるのは大変だと思いますが、次回リニューアルでもよい提案をしてもらいたいと期待しています(笑)。
一司 :ありがとうございます。まずは現在のWebサイトを最大限生かすためにお手伝いさせていただくことに注力します。今後ともよろしくお願いいたします。

企業情報

高速道路やまちづくりに不可欠なコンクリート製品の開発・製造・販売を手がけるケイコン株式会社。国内トップシェアの製品や時代の要請に応える新工法の開発を続けてきた、業界のリーディングカンパニーです。

会社名

ケイコン株式会社

本社所在地

京都府京都市伏⾒区淀本町225

URL

https://www.kcon.co.jp/

事業概要

コンクリート製品の設計施⼯製造販売、総合建設業

  • 本記事は2022年1月現在の内容です。
  • 本記事は中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
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